宮崎洋史のブログ

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もしもInstagramを創業したのが日本人だったら…

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米国が「スタートアップビザ」の導入を検討しているという話。

雇用を生み出すのは、新産業で、新産業を生み出すのは起業家。だから起業家向けのビザを新設しよう、というのが本提言の背後にあるロジック。ただ「実は米国に住みたいだけ」の1円起業家が殺到しては困るので、ビザ発給に一定のルールを設けるのが本案です。
ビザ申請の条件は以下のようになっています。
オプション1
米国外在住の起業家が、米国の認定投資家から最低10万ドルの投資を受けて起業する場合。
その会社は、起業後2年間で、5人を新規雇用し、50万ドル以上の新規投資あるいは50万ドル以上の売上げを上げなくてはいけない
オプション2
現在H-1Bビザで米国に滞在中、あるいは科学・技術・エンジニアリング・数学・コンピュータサイエンスで大学院を卒業し、現在米国在住の年収3万ドル以上(又は6万ドルの資産)の外国人起業家が、米国の認定投資家から最低2万ドルの投資を受けて起業する場合。
その会社は、起業後2年間で、3人を新規雇用し、10万ドルの新規投資あるいは10万ドルの売上げを上げなくてはいけない。
オプション3
米国外在住の起業家で、その国の経営権を持つ会社があり、かつその会社が直近12ヶ月内に米国内で10万ドルの売上げを上げている場合。
その会社は(米国内での)企業後2年間で、3人を新規雇用し、10万ドルの新規投資あるいは10万ドルの売上げを上げなくてはいけない。
「新規雇用人数」が各オプションの条件になっていることからも、本ビザの目的が雇用創出なのは明白ですね。
ここで僕が思い出したのはInstagramのケース。
この会社が開発する写真共有アプリはスタートアップの成功例として語られていますが、雇用創出の観点から見ると米国経済に与えるインパクトは極小のようです。
なぜなら、ユーザー数500万人を抱えるこのサービスはたった「4人」の社員によって運営されているのですから。
ここでちょっと思考実験。もしInstagramを創業したのが日本在住の日本人だったら、このスタートアップビザを得ることは出来るのか?
日本在住の日本人がスタートアップビザを得るには、オプション1での申請となます。創業資金の10万ドルは、ま、なんとかなるでしょう。
問題は社員数。
創業後2年間で社員数を6人(創業者+新規採用5人)にしなくてはいけません。友人と二人で共同創業する場合だと7人(創業者2人+新規採用5人)に。
けれどもWebサービスはユーザー数増加と社員数増加が「比例しない」のが常なので、2年後でも上述のように「社員4人で十分」かもしれません。
このページには「社員募集中」とありますが、よく読むと「ユーザー数250万人の本サービス…」という記述があり、数ヶ月前に作った募集ページを、放置しているだけのようも見えます(現ユーザー数は500万人以上)。
米国でWebサービスのスタートアップに成功し、少数の精鋭社員で「贅肉のない」会社運営をしていたら、2年後に国外退去になりかねないですね。かといって、無駄に社員を増やすのは本末転倒だし。

起業を重視する米国はさすがと感心する反面、雇用を大量に生み出すのも大変だなあと思いました。