宮崎洋史のブログ

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空き部屋共有サービスの事故防止策

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今日の英文記事紹介は、空き部屋共有サービス「Airbnb」で発生した事故について。

Airbnb Responds After Vandals Ransack User’s Home

Airbnb(エア・ビー・アンド・ビー)は…

  • 空き部屋を旅人に貸し出して小遣い稼ぎをしたい貸主と
  • ホテル代を節約して旅をしたい旅人

をマッチングさせるサービスです。
普通に考えると、貸し主も旅人も「見ず知らずの者と一夜を共にすること」など恐ろしくて出来ませんが、Airbnbは、滞在後、お互いにお互いを「評価」させることでこの懸念を払拭しました。
悪い評価がつくと…

  • 今後、その貸し主の部屋には旅人が泊まらなくなる
  • 今後、その旅人に部屋を貸してくれる貸し主がいなくなる

ので、今後もAirbnbの利用を希望する者は、品行方正に振る舞わざる得なくなるのです。

僕はこのサービスを初めて知ったとき、疑問を感じました。それは、Airbnbの事故防止メカニズムは、貸し主や旅人に「サービス継続利用の意志」があることが前提であり、その意志がない者にはこの防止メカニズムは効力を発揮しないのでは、という疑問です。

けれども同時に、サービス開始後の事故件数がゼロということも知り、この程度の防止メカニズムで十分なのかと無邪気に信じていました。

しかし、僕は、そして多くのAIrbnbユーザーは無邪気すぎたようです。
事故は発生しました。

被害にあったのは貸し主の「EJ」。彼女は貸した部屋をめちゃくちゃに荒らされて、所有物を盗まれてしまったのです。

奴ら(旅人)は鍵をかけておいたクローゼットに穴を空け、中に隠したおいたパスポート、現金、クレジットカード、祖母から譲り受けた宝石を持っていきました。奴らは、私のカメラも、iPodも、ノートPCも写真や記事を保存しておいたバックアップ用のHDD、そう、私の人生全部を盗んでいったのです。

やはり、サービス継続利用の意志がない者には、抑止力は働かなかったわけです。

僕は、評価と評判をベースにした新サービスに大きな期待を寄せていたのですが、Airbnbはやはり無茶なビジネスモデルなのでしょうか?EJはモノを盗まれただけで済みましたが、強姦とか殺人などの犯罪が発生する前にAirbnbは店を畳んだ方がヨイのでしょうか?

ここで僕は思います。
Airbnbはどうせ店終いをするならこんな実験してください、と。

現在、Airbnbの会員登録をするには1)Facebookアカウントを使う、2)Airbnb専用のアカウントを新設するの二つの方法があります。これを前者だけにしてしまうのです。そして、他の共有型サービス(Zipcarなど)にもFacebookアカウント利用義務化をお願いするのです。

悪行の履歴が伝わる範囲がAirbnb内だけだと、EJのケースのように、空き部屋共有サービスを継続して利用する意志がない者には抑止力が働きません。でもその履歴がもっと広く共有されるようになると、例えばAirbnbで悪行を働いた者は…

  • Zipcarで車を借りることが出来なくなる
  • FacebookDealsの割引クーポンが提供されなくなる
  • その他色々なサービスが利用できなくなる
となれば、抑止力が強化されるハズです。
本案はFacebook社が「一人一アカウント。実名実写真」というルールを厳密に適用してくれることが前提です。ここに抜け穴があると「捨てアカウントを作って」悪行を繰り返す輩がでてくるでしょう。
一度ついた評判が、死ぬまでついて回る仕組みを「心地悪い。ヤダ」と感じる人が大部分と思いますが、僕は試してみる価値はあると思います。「評判から逃れられない心地悪さ」を「評判ベースのサービスから受ける便益」が上回れば社会全体の幸福度は上がるはずなので。
震災が発端となって原発政策の議論が巻き起こったように、何かをドラスティックに変えるには「契機」が必要です。Airbnb社は事業資金を調達したばかりで、現時点で廃業に追い込まれる可能性はないと思っています。ならばなおさらのこと、今回の事件を契機に、評価評判の伝達範囲をドラスティックに拡張してもらえないかなあ、と思う僕でした。はい。